前回のブログで日本スポーツウィップ協会のトピックに書
いた記事を上げましたが、今回は私たち親子視点でその時 の事について書いてみたいと思います ラムとの春休みからの約束だった、サーカスに行ってきま した 今回のサーカスは日本スポーツウィップ協会の取材という 目的もあったのですが、実は取材の対象だったオーストラ リアンウィップマスター Gary Brophy は私のサーカスパ フォーマーとしての人生に大きな影響を与えた人物だった ので個人的にもぜひ会ってみたい人物でした 私はラムが生まれた時に、こんな危ない仕事をしていては 子供のために良くないのでは、、、という不安に駆られて 一度現役を退いた事があります (私の場合は鞭だけではなく空中ブランコもしていたという 事もあってなのですが) 情けない話ですが、会社の歯車となって働くのが嫌でパフ ォーマーを目指しときながら、子供の将来と生活の安定の 為に再び会社員となって働こうなんて虫の良い事を考えて しまった時期でした 友人たちの助けもあり、職につく機会には困らなかったの ですが、やはり心のどこかでサーカスパフォーマーへの諦 めがつかず心の中での葛藤を抱えながらいた時に目にした のがこのショーです(前回の日記にもリンクを張りましたが) Gary Brophy と共に彼の娘(Jessinta Brophy) がのびのび と子供らしく楽しそうにショーを演じ、目を輝かせながら 親のショーを見つめる姿を見て こんな道(生き方)があるのならば、私も自分の見てきた 世界とそこにいる自分の姿を子供に見せてやりたい と思いました。先駆者がいてくれたおかげで私も出来ると いう自信が私の中で芽生え、その気持が今までの心の葛藤 不安や迷いなどを断ち切り、再びパフォーマーとしての道 を歩くことを決断させてくれました その時はまだ、ラムが同じ道を歩いてくれるなんて思って もみなかったので、うっすらとでもラムの記憶に残る年齢 までは続けられたら良いなというだけの思いでした あれから9年経った現在、 Gary親子には敵いませんが、あの時に目にした光景と同じ 幸せを私たち親子も得る事が出来てます この道で子供が安心して生活できる環境を作り子供の未来 を支えてやる事は普通以上に大変ですが、親として子供に 誇れる自分の姿を見せてやれる事は親冥利に尽きます 彼に会ったら、 彼らのショーがあったからこそ、私は子供と共に同じ夢を 追いかけ、笑顔のある楽しい日々を過ごしながらここまで 来れたと言うことを伝えたい そして、最高の感謝の気持を持って“ありがとう”と言い たいと思っています すごーく緊張します そして今から、その更に9年後の彼らの姿を目にするのか と思うと、私自身のこれからの未来を見てしまうような不 思議な感覚に襲われ今までに経験したことのない胸の高鳴 りを感じます サーカスを訪ねると、サーカスのスタッフが同業のサーカ スパフォーマーという事でテント裏に通してくれました 私の緊張をよそに、ラムは初めて目にするサーカステント 裏の動物小屋に感動し目を輝かせています 動物小屋を抜けてキャラバンに向かうと、そこにはキャン ピングカーで生活するパフォーマーたちの姿がありました Gary のキャンピングカーの扉をノックすると、中から彼 が出てきました 「やぁ! Dio。ようこそ」 そして次の言葉が「今日はムチ持ってきた?」 見た目はなんとも愛想のない挨拶のように見えますが これがパフォーマー流の最高の挨拶だったりします 本当ならば私も鞭を持参したかったところなのですが あいにくメンテナンス中で今日は持参出来ませんでした 申し訳ない、、 それに気を悪くするどころか「しっかりメンテナンスする ことは良い事だよ。さすがプロだね。それでは何から話そ うか?」と切り出してくれたので そこで私は、娘が現在パフォーマーであること、そして ここまでの生立ちについて話しました その事に Gary は 「とっても嬉しいよ。そんな私の知らないところで役に立 っていたなんて驚きだ。ちょうど今からショーが始まるか ら見ていってよ。うちの娘もすでに準備を終えてもうテン トでスタンバイしてるから」 と言って微笑んでくれました そして、今回の目的であった協会の話を切り出すと 「もちろん。そんな名誉な話を断るわけないじゃないか。 しかも、君からの話ならばなおさらだ。力になれることが あったら何でも言って欲しい」 そう言ってくれた彼の言葉に私の肩の荷が下り、少し気持 も楽になりました ですが、ここで終わりではありません これから私にとって一番気になる9年後の彼らの姿を目に するわけです 再びサーカステントに戻った私たちは、 今回同行した大道芸仲間のバイオリン少年と合流しサーカ スの始まりを待ちました 照明も変わり、いよいよサーカスの開幕です エアリアルストラップの演目からショーの開始です 手を伸ばすと届きそうなほどの高さの客席頭上を パフォーマーが舞うパフォーマンスに会場の雰囲気が 一変しました ラムも、このパフォーマンスにのっけから大興奮しています。 小さいテントならでは演出ですね そして、次は動物のパフォーマンス 先ほど動物小屋で見た水牛が出てきました すっかりラムも魅了されてしまい夢中に見入ってます 次々とパフォーマンスが続き、あっという間に前半終了 休憩中にコントーショニストと一緒に記念写真 休憩を挟んで後半は、いよいよ Brophy ファミリーの登場 です 音楽もパフォーマンスも9年前と同じです そして、家族の笑顔も 驚いたのは当時9才だった彼の娘(Jessinta Brophy)から すっかり少女のあどけなさが抜けて大人の女性となって いたこと しかも、一人前のパフォーマーとなって父のパフォーマ ンスを受け継ぎショーの半分を担っているではないですか 娘のアシスタントを務める Gary も嬉しそうです Jessinta Brophy の顔つきは、昔の幼かった時の面影は 残していてもプロのパフォーマーの顔つきになってます この姿を見ているだけで目頭が熱くなってきます この10年間、私が見てきたサーカスの中で一番私を感動 させてくれたサーカスではないでしょうか これは私の個人的な思い入れがそうさせているのかな たとえそうだとしても、それもまたこのサーカスの持つ 魅力で Brophy ファミリーの持つ魅力 例え他の人の評価は違っても、私の心には素晴らしい サーカスとして記憶に刻まれた事は事実 本当にありがとうございました そして、私たちの未来にも彼らのような幸せを得る可能性 があるのかと思うと、とても心強く感じ これからも頑張っていこう!! という気持にさせてもらいました サーカスからの帰り道にラムが 「これってDioさんが話してくれた昔の話の続きだよね。 ゲイリーさんのパフォーマンスをジェシンタがアシスタ ントしていたのが、今は逆になってたじゃん! ってこと は今にDioさんはラムのアシスタントになるって事か?」 と言ってきました 「今もうすでにそうじゃん」 と返すと 「なら、私たちの方がすごいってこと? 」 と勝ち誇った顔で言ってきたので 「彼らがこの道を歩き続ける以上、一生追いつけないし。 それは勝ち負けじゃない」 そう言うと、 「なんで? なんで? サーカスの大会に出たら勝ち負けも はっきりするじゃん!!」 このラムの言葉に、良い返答を見つけれないでいると 「これって大人の勝手な都合ってヤツですか?」 ラムがそんな生意気なセリフを吐いて会話を締めくくり ました まぁ、今はそれでも良いでしょう。ラムが大きくなって この日記を再び自分で読み返す時に、きっとその意味が 理解できるパフォーマーになっていてくれる事を願って います まったく、日本のテレビドラマとかアニメを見せてない のに、どこからこんな生意気な言葉を覚えてくるのかが 不思議でなりません そんな一日でした 今週末は勝手ながら体調不良により大道芸をお休み させてもらいます 楽しみにしていた人には申し訳ありません
by kinosuke_otowa
| 2012-05-04 21:46
| サーカス
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