カテゴリ:サーカス( 8 )
人生に大きな影響を与えた人物
前回のブログで日本スポーツウィップ協会のトピックに書
いた記事を上げましたが、今回は私たち親子視点でその時
の事について書いてみたいと思います

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ラムとの春休みからの約束だった、サーカスに行ってきま
した

今回のサーカスは日本スポーツウィップ協会の取材という
目的もあったのですが、実は取材の対象だったオーストラ
リアンウィップマスター Gary Brophy は私のサーカスパ
フォーマーとしての人生に大きな影響を与えた人物だった
ので個人的にもぜひ会ってみたい人物でした

私はラムが生まれた時に、こんな危ない仕事をしていては
子供のために良くないのでは、、、という不安に駆られて
一度現役を退いた事があります
(私の場合は鞭だけではなく空中ブランコもしていたという
事もあってなのですが)

情けない話ですが、会社の歯車となって働くのが嫌でパフ
ォーマーを目指しときながら、子供の将来と生活の安定の
為に再び会社員となって働こうなんて虫の良い事を考えて
しまった時期でした

友人たちの助けもあり、職につく機会には困らなかったの
ですが、やはり心のどこかでサーカスパフォーマーへの諦
めがつかず心の中での葛藤を抱えながらいた時に目にした
のがこのショーです(前回の日記にもリンクを張りましたが)



Gary Brophy と共に彼の娘(Jessinta Brophy) がのびのび
と子供らしく楽しそうにショーを演じ、目を輝かせながら
親のショーを見つめる姿を見て

こんな道(生き方)があるのならば、私も自分の見てきた
世界とそこにいる自分の姿を子供に見せてやりたい

と思いました。先駆者がいてくれたおかげで私も出来ると
いう自信が私の中で芽生え、その気持が今までの心の葛藤
不安や迷いなどを断ち切り、再びパフォーマーとしての道
を歩くことを決断させてくれました

その時はまだ、ラムが同じ道を歩いてくれるなんて思って
もみなかったので、うっすらとでもラムの記憶に残る年齢
までは続けられたら良いなというだけの思いでした

あれから9年経った現在、

Gary親子には敵いませんが、あの時に目にした光景と同じ
幸せを私たち親子も得る事が出来てます

この道で子供が安心して生活できる環境を作り子供の未来
を支えてやる事は普通以上に大変ですが、親として子供に
誇れる自分の姿を見せてやれる事は親冥利に尽きます

彼に会ったら、

彼らのショーがあったからこそ、私は子供と共に同じ夢を
追いかけ、笑顔のある楽しい日々を過ごしながらここまで
来れたと言うことを伝えたい
そして、最高の感謝の気持を持って“ありがとう”と言い
たいと思っています

すごーく緊張します

そして今から、その更に9年後の彼らの姿を目にするのか
と思うと、私自身のこれからの未来を見てしまうような不
思議な感覚に襲われ今までに経験したことのない胸の高鳴
りを感じます

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サーカスを訪ねると、サーカスのスタッフが同業のサーカ
スパフォーマーという事でテント裏に通してくれました

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私の緊張をよそに、ラムは初めて目にするサーカステント
裏の動物小屋に感動し目を輝かせています

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動物小屋を抜けてキャラバンに向かうと、そこにはキャン
ピングカーで生活するパフォーマーたちの姿がありました

Gary のキャンピングカーの扉をノックすると、中から彼
が出てきました

「やぁ! Dio。ようこそ」

そして次の言葉が「今日はムチ持ってきた?」

見た目はなんとも愛想のない挨拶のように見えますが
これがパフォーマー流の最高の挨拶だったりします
本当ならば私も鞭を持参したかったところなのですが
あいにくメンテナンス中で今日は持参出来ませんでした

申し訳ない、、

それに気を悪くするどころか「しっかりメンテナンスする
ことは良い事だよ。さすがプロだね。それでは何から話そ
うか?」と切り出してくれたので

そこで私は、娘が現在パフォーマーであること、そして
ここまでの生立ちについて話しました

その事に Gary は

「とっても嬉しいよ。そんな私の知らないところで役に立
っていたなんて驚きだ。ちょうど今からショーが始まるか
ら見ていってよ。うちの娘もすでに準備を終えてもうテン
トでスタンバイしてるから」

と言って微笑んでくれました
そして、今回の目的であった協会の話を切り出すと

「もちろん。そんな名誉な話を断るわけないじゃないか。
しかも、君からの話ならばなおさらだ。力になれることが
あったら何でも言って欲しい」

そう言ってくれた彼の言葉に私の肩の荷が下り、少し気持
も楽になりました

ですが、ここで終わりではありません
これから私にとって一番気になる9年後の彼らの姿を目に
するわけです

再びサーカステントに戻った私たちは、

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今回同行した大道芸仲間のバイオリン少年と合流しサーカ
スの始まりを待ちました

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照明も変わり、いよいよサーカスの開幕です

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エアリアルストラップの演目からショーの開始です

手を伸ばすと届きそうなほどの高さの客席頭上を
パフォーマーが舞うパフォーマンスに会場の雰囲気が
一変しました

ラムも、このパフォーマンスにのっけから大興奮しています。
小さいテントならでは演出ですね

そして、次は動物のパフォーマンス

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先ほど動物小屋で見た水牛が出てきました

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すっかりラムも魅了されてしまい夢中に見入ってます

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次々とパフォーマンスが続き、あっという間に前半終了

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休憩中にコントーショニストと一緒に記念写真
休憩を挟んで後半は、いよいよ Brophy ファミリーの登場
です

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音楽もパフォーマンスも9年前と同じです

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そして、家族の笑顔も

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驚いたのは当時9才だった彼の娘(Jessinta Brophy)から
すっかり少女のあどけなさが抜けて大人の女性となって
いたこと

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しかも、一人前のパフォーマーとなって父のパフォーマ
ンスを受け継ぎショーの半分を担っているではないですか

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娘のアシスタントを務める Gary も嬉しそうです

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Jessinta Brophy の顔つきは、昔の幼かった時の面影は
残していてもプロのパフォーマーの顔つきになってます

この姿を見ているだけで目頭が熱くなってきます

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この10年間、私が見てきたサーカスの中で一番私を感動
させてくれたサーカスではないでしょうか
これは私の個人的な思い入れがそうさせているのかな
たとえそうだとしても、それもまたこのサーカスの持つ
魅力で Brophy ファミリーの持つ魅力
例え他の人の評価は違っても、私の心には素晴らしい
サーカスとして記憶に刻まれた事は事実

本当にありがとうございました

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そして、私たちの未来にも彼らのような幸せを得る可能性
があるのかと思うと、とても心強く感じ

これからも頑張っていこう!!

という気持にさせてもらいました

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サーカスからの帰り道にラムが

「これってDioさんが話してくれた昔の話の続きだよね。
ゲイリーさんのパフォーマンスをジェシンタがアシスタ
ントしていたのが、今は逆になってたじゃん! ってこと
は今にDioさんはラムのアシスタントになるって事か?」

と言ってきました

「今もうすでにそうじゃん」

と返すと

「なら、私たちの方がすごいってこと? 」

と勝ち誇った顔で言ってきたので

「彼らがこの道を歩き続ける以上、一生追いつけないし。
それは勝ち負けじゃない」

そう言うと、

「なんで? なんで? サーカスの大会に出たら勝ち負けも
はっきりするじゃん!!」

このラムの言葉に、良い返答を見つけれないでいると

「これって大人の勝手な都合ってヤツですか?」

ラムがそんな生意気なセリフを吐いて会話を締めくくり
ました

まぁ、今はそれでも良いでしょう。ラムが大きくなって
この日記を再び自分で読み返す時に、きっとその意味が
理解できるパフォーマーになっていてくれる事を願って
います


まったく、日本のテレビドラマとかアニメを見せてない
のに、どこからこんな生意気な言葉を覚えてくるのかが
不思議でなりません

そんな一日でした

今週末は勝手ながら体調不良により大道芸をお休み
させてもらいます
楽しみにしていた人には申し訳ありません
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by kinosuke_otowa | 2012-05-04 21:46 | サーカス
32th The Festival Mondial du Cirque de Demain 出場者発表
告知ばかりで申し訳ありません

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32th The Festival Mondial du Cirque de Demain
http://www.cirquededemain.com/web/index.php

サーカスの国際大会の一つ
第32回 The Festival Mondial du Cirque de Demain の
出場者と開催日が発表されました

開催日: シルクフェニックス パリ12 で2011年1月27から30日開催

出場者は

WES PEDEN (Etats Unis)
Jonglage

UUVE JANSSON (Suède)
Trapèze ballant

DUO PARADISE (Ukraine)
Artem Panasyuk & Anastasiia Krutikova
Equilibres

BALAGANS (Espagne / Suède)
Manel Rosés, Guillermo Aranzana
Oscar Karlsson, Nilas Kronlid
Bascule

ETHAN LAW & MARIE-PIER CAMPEAU (Canada)
Icariens
Etats Unis

GIRMA TSEHAI (Ethiopie)
Jonglage

KEROL (Espagne)
Excentrique

PAVEL STANKEVYCH (Ukraine)
Equilibres

ALEXANDER WEIBEL WEIBEL (Espagne)
Fil souple

ANASTASIIA MAZUR (Ukraine)
Contorsion

MYKOLA SHCHERBAK & SERGII POPOV (Ukraine)
Main à main


EDOUARD DOYE (France)
Mât pendulaire

HEROES
Trapèze volant (Russie)

XAVIER & CHLOË (France)
Main à main dynamique

IGOR ZARIPOV & LOUBA KAZANTSEVA (Russie)
Sangles

TROUPE DE FUJIAN (Chine)
Lasso

DUO RIEK (Cuba)
Equilibres

TROUPE NATIONALE DE CHINE (Chine)
Equilibres sur hautes cannes souples

BABOULE & REGIS TRUCHY (Guinée / France)
Hip hop contorsion

CHRISTER PETTERSEN (Norvège)
Fil souple

INVITES / GUESTS

WEI LIANG LIN (Taiwan R.O.C.) Medal of gold of the 29th Festival (Diabolos)
ALEXANDRE KOBLYKOV (Ukraine) Medal of gold of the 30th Festival(Jonglage)
SERGII TYMOFIEIEV (Ukraine) Medal of gold of the 29th Festival (Equilibres)

最後にこちらが昨年の動画


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by kinosuke_otowa | 2010-11-07 09:49 | サーカス
2010年度のYOUNG STAGE コンテスト結果
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昨日、2010年度のYOUNG STAGE コンテストが終了しました
意外な展開で幕を閉じたわけですが

その結果は後に報告することにしまして


会場で久しい友人に出会いました


その相手とは あのdimitriファミリーのMASHA DIMITRI

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http://www.dimitri-leclerc.ch/index.htm

知らない人のために簡単に説明すると

ディミイトリファミリーとは、
サーカス界で世界一有名なクラウン&綱渡り一家

中でもマーシャはクラウンとしての表現力とその人柄の
良さから多くの人から愛され、これまでに名だたるサー
カスで出演ならびに演出もこなしてきた人

今回は審査員としてこの大会に招かれたみたいです

私とマーシャは綱渡りをすることから度々大きな
イベントで顔を合わせてきました

始めはお互いパフォーマーとして
次に会ったのはサーカスの指導者として
その次に会ったのはイベントのゲストとしてと
歳月を重ねるごとに立場や出会う状況が少しずつ
変わってきて

そして、今回はスタッフと審査員として再会を果たした
わけです

「お互いに歳をとったねー」から始まった会話

驚くのは、お互いにまだ現役としてパフォーマーで
あること(笑)

共通の友人であった故マルセル・マルソー氏は
生涯現役を貫いて他界したわけだが、私たちも
そうなるのかねー

なんて話しで盛り上がりその場を去りました

マーシャが現役で頑張ってるんだから
私も頑張らないとね

なんかとっても元気を与えられ気がしました
マーシャに感謝です


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さて、YOUNG STAGE コンテスト最終日の話

リハーサルが始まってから今日まで
ほぼ一週間が経過
出場者たちにもかなりの疲れが見えます

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この大会の出場条件が27才までと制限されているのですが
27才といえばもう十分にベテランそれ相応の場数を踏んで
きてます

それと肩を並べて戦う10代にとって、他にない幸せな環境
ではあるのですが、取れと同時にハンデ無しで彼らと戦う
不利な状況でもあります

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開催期間が長くなればなるほど、キャリアのあるベテラン組み
の方に有利な展開に進みます

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なぜかといいますと、ベテラン組みは長期戦に向けたスタミナ
のコントロールを知っていたり、精神面での制御が可能であっ
たり、人間関係の程よい距離感なんてものを知ってるからです

開催期間が長かったりすると、これがすごく重要で

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ベテラン組みはこれらをうまく調整しながら、時には相手に
トラップをしかけたりなんかしてきます

ステージ裏で観察していると、そんな駆け引きなんかも
見えてきて面白い

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あいにく今回は、相手に嫌がらせや潰しにいくような
癖のあるパフォーマーはいませんでしたが

スタミナ切れと人間関係のお付き合いに疲れている若者を
横目で見ながらマイペースでトレーニングに励む
ベテラン組はさすがだなぁーと思いました

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そして今回、少しかわいそうに思えたのが
エアリアルやアクロバット組み

本番のためにステージに道具がセットされているので
それを移動し練習することも出来ず、それでいてステージ
で練習できる回数も限られちゃってます

十分な練習環境が得れないのは、かなりこたえます、、、

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そんな環境の中、むかえたコンテスト最終日の本番!!

明暗がはっきりと分かれた結果がこれです


見事、GOLD の栄冠を勝ち取ったのは
カナダの Duo Reflex


そして、惜しくも SILVER の栄冠を得たのは
イスラエルの Avital



そしてBRONZE の栄冠を得たのはスイスの Maxime
彼はこの他にも多くの特別賞を受賞しました



この他多くの参加者が特別賞を受賞しました

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惜しくも賞から漏れた参加者も中には居ましたが
この結果以上に大きなものを頑張った全員が得た
はず

今回は審査員の好みによって、このような結果と
なりましたが
本来ショーの良し悪しを判断するのは
専門家の目ではなく
客席から熱いエールを与えてくれた観客

客席で見ていた観客それぞれに違った評価を
持っていると思います。
それらが参加者のサポーターとなって、これからの
彼らを大きく成長させてくれることでしょう

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次に彼らに会った時に、その成長を見るのが
いまから楽しみでなりません

参加者、関係者の皆様おつかれさまでした
そして来場してくれたお客様に感謝しています
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by kinosuke_otowa | 2010-05-29 23:08 | サーカス
サーカスの世界一の祭典
気がつけば、ここのところ明るい日記がないことに
気付いたので明るい話題を

僕はアフリカに向けた移動の準備のため今回は参加で
きなかったのだが、僕の所属するヨーロッパサーカス
協会が運営協力している

サーカスの世界一の祭典
Festival International du Cirque de Monte-Carlo
【モンテカルロ国際サーカスフェスタ】が本日幕を
閉じた

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http://www.montecarlofestivals.com/

今年の結果は以下の通りとなった

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結果はこちら↓
http://www.montecarlofestivals.com/siteweb/palmares.html

やはり皆さんの予想通りの展開で

Flight of PassionがCirque Moranbong de Pyong Yangと
金賞を分けたものの

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Flight of Passion はさすがの一言ですね



ウクライナ出身のチームなんだけど皆さんもご存知の
シルク・ド・ソレイユの作品や世界の名立たるサーカス
に出演している、今最も輝いている若手ですね

いずれうちの娘もこんな風に輝いてくれたら…
なーんて夢を描き日々練習しているわけなのですが

今回のフェスティバルには参加していませんが
このコンビも今最も輝いている若手コンビで

Kalutskikh Brothers




彼らも幼い頃から注目を集める兄弟チームで
まだまだこれから先も長く、楽しみですね
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by kinosuke_otowa | 2009-01-26 20:35 | サーカス
オーダーしていた空中ブランコのバーが届いていました
実家の方にオーダーしていた空中ブランコのバー
が届いていました。

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ブランコのバーは使用する技によって形状がすごく
異なるんですよ。
そして使う人によって、扱いやすい直径や幅、重さ
なんかもあったりします。
僕の場合は、スイングと静止技の両方に使うので
ブランコのバーは円筒で回転するモノになります。

回転するモノなだけに重さとバランスの調整が難し
く簡単にオモリをつけて調整なんて訳にはいかなく
て、今回のバーはパイプ厚+芯に鉄粉を詰め込むと
いった荒業でバランス調整を行いました。

かなりの溶接技術を要する作業なだけに今まで職人
さんがみつからなかったのですが、今回運良く自動
車の組み立てロボットのパーツを作っている職人さ
んがこれを受けてくれました。

仕上がりは最高です。3本ともに手作業であるにも
関わらず寸分の狂いも無く正確なのに驚かされます。
早くこのブランコを試したいww

あとは、オーダーしてある曲芸用の鞭が海外に行く
までに届いてくれると嬉しいのですが…

いままで慣れ親しんできたリングも、今の形状で
出来る事に限りが見えてきたので、新しい形のもの
を特注でオーダーする予定です。
今年はコンビでのリングパフォーマンスを皆さんに
披露する予定ですが、その次は特注するリングでの
進化系となる予定。
新しい錯覚の世界を楽しみにしていてくださいww
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by kinosuke_otowa | 2008-02-15 14:50 | サーカス
サーカスキャンプのお話
今回は僕が昔、参加したサーカスキャンプのお話し。
サーカスキャンプとは、サーカス体験合宿や一定期間だけ行われる
興行のことを言うのだが、見ているお客さんや、参加する側だけが
楽しいわけではなく出演している側も楽しかったりする。

僕に参加するきっかけを与えてくれたのは
アメリカの非公開オーディションで知り合ったカナダ人のkathryne
(キャサリーン)でした。
この日のオーディションはフリースタイルで、
とにかくどんなパフォーマンスでも良いので
構成作家の目を引くものであれば合格といったもの。

僕は順番待ちしていると突然参加者の一人が

「誰か静止ブランコの経験者の方いませんか?
もしくは静止ブランコで参加されている方いませんか?」

とパートナーを探し始めた。

この誘いを受けることは僕にとってアピールするチャンスが2度になり
とってもおいしいと考えた僕はその誘いを受けた。
オーディションも無事終了し仲良くなったキャサリーンは
僕を食事に誘ってくれた。
食事にはオーディションに一緒に参加していた
キャサリーンと同じサーカススクール出身の仲間が集まっていた。
それぞれに、いろんなサーカスなどに散らばって働いているらしく
それぞれの環境についてや昔話に会話は盛り上がっている。
彼らの流暢な英語は僕にとって70%ぐらいしか理解でないので
聞く側になり食事を楽しんでいると
キャサリーンが僕をサーカスキャンプに誘ってきた。
僕はサーカスキャンプへ参加した経験が無いので
何のことやら解らぬまま答えを保留した。

そして2ヵ月後、
このことを忘れていたぐらいに、キャサリーンから手紙が届いた。
サーカスキャンプへの誘いだった。しかも親切に日本語で翻訳して
くれてある。
僕は、初めてサーカスキャンプに参加することとなったのだ。

このサーカスキャンプは、カナダの国立サーカススクールの
同級生によって構成されているらしくちょっと風変わりな同窓会
といった感じでした。
それぞれが各地のサーカスに散らばり更なる技を磨いているだけ
あって技のレベルは高い。
参加者の中の一人の親が田舎町のお偉いさんらしく
みんなの宿や会場の世話をしてくれているのだが
このキャンプもすでにちょっとした街の定番イベントとなっている。
街の人たちからの差し入れも多く、その期待度が窺われる。
サーカスに比べるととても小さいイベントで、ノンギャラなのだ
がプレッシャーは大きい。

ショー構成は毎晩の話し合いのみで決まり、
シナリオは無く順番のみで淡々と進んでいく。
つまり、コンビネーション系の出し物の人は深夜から翌日の昼までに
完成させなければいけない。
これもつらい話なのだが、もっと辛いのはクラウンだ。
全体のタイムキーパとなり時間超過するものには乱入し引き下げ役
となり時間が空いたときには即興で何かを要求される。
しかも、途中には一般から参加した子供たちの出番までありこれを
仕切らなければいけないのだ。

僕はブランコのサポートと鞭のソロショーで参加。
それ以外にオープニングとエンディングにダンスとアピールがある。
クラウンでの参加じゃなくて救われた。

こんなハードで常に緊張感がマックス状態なサーカス経験は
今までに無い。1週間の滞在の中で、ほかの参加者から
技などを教えてもらう時間の余裕すら無かった。
でも、この参加によって技以外の部分で必要なスキルが
全体的に底上げされた感じがした。

そして、なによりも自分が自分の見せ場を構成できるといった
貴重な時間をもらえたのは僕にとって大きな経験となりました。
それはきっと僕だけに限ったことではなく、みんなも同じらしく
構成を決めるミーティングはみんなが活き活きしているように見えた。
いつも自己主張の強いパフォーマーが集まると決まって争いが
おこるのだが、このサーカスキャンプにおいては
1度たりともケンカや争いはありませんでした。

なぜ、こんな話を急にしたかと言いますと
最近日本でも有名となったシルクドソレイユのショーの中に
このキャンプに一般人で参加していた子供がメンバーとなって
いるのを発見したからです。
きっと彼女も僕と同じものをサーカスキャンプで感じ、
それがきっかけとなってこの世界に入ってきたのかなと思うと
とても嬉しくなり、サーカスキャンプでのことを思い出して書いてみました。
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by kinosuke_otowa | 2007-07-08 11:27 | サーカス
僕が苦手とする演目
フリーのサーカスパフォーマーには大きく2つのタイプがある。

持ち技を売りとするスペシャリストタイプ

幅広く種目をカバーし欠員時などのピンチヒッターとして
重宝されるオールマイティータイプ


僕はこの後者のタイプだ。

なぜ後者のタイプを選んだかというと、僕はスタートが20歳と
遅咲きなので、1つの技のスペシャリストにまで上り詰める
には無理だと思ったからである。

えっ!!オールマイティータイプの方が、全てにおいての練習が
必要なので辛くない!? 

と思われる方も多いでしょうが
オールマイティーとは名前だけで、その大半が10~20種目
ぐらいしかカバーできてないってのが世界の現状です。

オールマイティータイプに仕事が来る時ってのは、既に決まっ
た役の人がいて何かの都合で出れなくなった時です。

プロデューサーもしくはディレクターが、フリーパフォーマーの
リストからそれに近い身長や肌の色、容姿など、それと
カバーできる種目からピックアップしオーディションを急遽
行います。

これを一般公募しないクローズドオーディションと呼びます。

参加者は向こうからの指名ということもあり行くだけでも
お金がもらえちゃうおいしいオーディションでもあります。

しかも参加者も少なく、オーディションに通過すると短期間で
通常契約金の2倍はもらえちゃいます。

こんなこともあって、オールマイティータイプは金銭的には
すっごーくおいしいですw
短期だから、いろんな仕事が他にもできるってのも良いとこ
ろですね。


しかし、嫌な面を挙げると
人間関係の出来上がったサーカスやグループに入りづらい
って事と、前にやっていたパフォーマーと常に比較される事です。
転校生へのイジメみたいのも、しょっちゅうです。
欠員が出て困っている時に、入ってくるんだから救世主的な
扱いをしてくれれば良いのにw

プロでやっていくには、毎日見に来てくれるお客様に
毎日変わらぬ感動を与え続けることが最優先されます。
したがって、自分の持つ100%の技術や、個人的なアピール
などは必要とされません。

どう言う事かというと、自分の持つ100%の技術を出すために
ついてまわる失敗が不要ということです。

100%の技術力よりも、80%の力で成功率100%を維持して
欲しいってのが主催者側の願いです。
そして光る個性やアピールよりも、役になりきってきっちりとでき
る人材、例えるなら歯車となって全体をしっかりと回して欲しい
わけです。

オーディションなどで、夢なんか語っちゃってたらそこで素人と
刻印つけられちゃいますよ。悲しいがこれが厳しい現実です。

さて、前書きが長くなってしまいましたが、ここからタイトルに
ある本題に入りますね。
オールマイティーパフォーマーとしてフリーで活動している僕ですが

カバーしている中に得意なものと苦手なものがあります。


最も苦手としているのが、

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ジャイアントホイル(Giant wheel)

これは見たままなのですが、ハムスターのようにホイルの中を
走り続けなければいけません。
演技時間の約8分間、フィットネス機具のランニングマシーンを
最高レベルにして走り続けている状態です。

しかも、こけれません!!

これは両者の体重差があるほど、演技中に回転が加速します。
昔から走ること(とくに長距離)が苦手だった僕には苦痛です。
30代も中盤にさしかかったので、そろそろ演目から外そうかと
考えるぐらい苦手。

でも……

みんな同じで苦手だから、仕事が入ってきやすく
それでいで、危険手当もついて高額なんだなぁ~

そう考えながら、ジャイアントホイルのビデオを見ていると
ラムが現れ

 「Dioしゃんも、これできるの?」 と聞いてきた。

ここは父として出来ないなんていえない

「できるよ!!」

あっ!!言ってしまった…

ラムは、そんな僕を尊敬のまなざしで見てくれている…

この演目だけは、そろそろ辞めようと思って
ビデオ見ていたのに
この娘の期待に答えるために、もうしばらく続けよう…

親って、辛いなぁ~

明日から、いゃ今から、ランニングするぞー
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by kinosuke_otowa | 2006-08-26 10:47 | サーカス
サーカススクール 
サーカススクールについての質問がありました。

ちょうど、僕がアメリカで受けたオーディションの時に会場として
使わせてもらったことのあるサーカススクールが名前をかえて
より一般の人にも利用しやすい形になったと案内が届いていたので
今回はその紹介も兼ねてこのサーカススクールでの事を書きますね。

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私がこのスクールを知ったのはクローズドオーディション
の会場として訪れたことから

たまたま、ここの練習設備を借りてのオーディションだったので
その後このサーカス学校が運営しているサーカスに出る事や
クラスへの参加は無かったのですが

ここでのオーディションがきっかけとなって、海外の色んな
サーカスへの出演や、他のサーカススクールで指導者としての雇用など
多くの仕事を得るきっかけをつかんだ場所なんだよね。

ここは、そんな私の思い出深い場所!!

今はスクール名をサーカスセンターと替えて一般の人向けの教室や
練習の場として開放や、週末には子供たちを対象としたクラウンクラス
なども行うようになったので、ぜひ興味ある人は参加して見て下さい。

このスクールには中国雑技団を指導していたluyi先生がいます。
数々の有名パフォーマーを育て上げた名の知れた指導者で
いまも現役で指導にあたっています。

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サーカスセンター
http://www.circuscenter.org/index2.html
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by kinosuke_otowa | 2006-08-22 11:00 | サーカス